先物取引の基礎知識

先物取引は時代の要請

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人間は常に頭の中で先を予測したり想像したりしていますが、予測という行為は人間の大脳の代表的な働きのひとつです。春の野菜は比較的安く出回りますが、夏の暑い盛りには野菜の値段が上がります。

「ここ一週間は雨も少しは降っているので、こんなに高い時期はそんなに長くは続かないだろう」と考えた瞬間に、あなたは先物取引をしていることと同じになります。日本には江戸時代から米相場があったのは、通貨の交換比率の違いによる、米の値段に差があったことによります。先物取引で商人はリスクが回避でき、米の流通も促進させるのに役立ちました。

戦後の日本経済は「リスク・ヘッジ」よりも「良いものは売れる」という工業生産に支えられてきました。世界の工場として物をつくり輸出をするだけで、安定して経済成長を続けることができたのです。為替が変動相場制へ移行してからも、日本経済は幾度の円高に直面しながらも合理化をはかり乗り越えてきました。

しかし、血の出るような合理化によるコストダウンが、通貨というマーケットによって、一瞬にしてご破算にされ、何倍ものコストとなって跳ね返ってくるようになったのです。このことは1991年から92年にかけての東京市場の株価の暴落と外国人投資家による大量の日本株売りで、いやというほど味わったはずなのです

21世紀に日本は、競争力ある製造業も産業の中心であることに変わりはないのでしょうが、金融を含めた非製造業の役割が大きくならざるを得ません。金融ハイテクというように、市場の経営と合理化で、この分野での進歩についていけなければ、日本がダメになることもまた確かなのです。市場を理解し、対応策を並行して考えていかなければ、企業は生き延びることができないことになります。

企業が輸出をおもな仕事としていたら、1円単位の為替の変動によって、何億円も利益が変動します。そこで、為替の予約をしておくことになります。1ドル105円のとき、輸出手形の先渡し予約をしました。もしその後円高になっても、1ドル=105円に固定してあるので、円の手取り額は減りません。これも先物の効用です。

企業のもうひとつ大切なコストの金利でも「うまい話」があります。短期の変動金利で借り入れた後に、今後1年ぐらい先に金利が上昇しそうな状況だと判断したら、将来の金利上昇に備えて上限の金利を設定できます。

また、短期の金利で銀行から借りている場合、仮に金利が急上昇しても、上昇する前の長期金利での固定金利借入れに切り替えることができ、支払い金利が少なくてすむのです。一方、金利が低下していたら、短期金利での借り入れを継続できます。もちろん、こうした取引に手数料がついたり細かい条件はつきます。しかし、30年前には考えられなかった新しい金融取引の時代がはじまっているのです。

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