先物取引の基礎知識

先物取引でリスクヘッジ

レバレッジの他に、先物取引のもうひとつの特徴は「リスク回避に最も優れたもの」ということです。たとえば、ある大手の銀行、あるいは生命保険会社が、2兆円の日本株を持っているとします。今、日本株がなんらかの状況で下がりそうだという材料をつかんだとしましょう。

リスクヘッジが先物取引の目的

しかし、すぐに2兆円の株式を売れるでしょうか。現在の商いだったら、せいぜい何百億円か売ったところで暴落してしまいます。そして、1割下がると2000億円も損をしてしまいます。手をこまねいて見ているわけにはいきません。どうしたら先の2000億円の損を回避できるのでしょうか。

その方法は2兆円の15パーセント、3000億円分を証拠金にして、保有する株式とポートフォリオが似ている株価指数先物を、下がる前の現在の株価で売っておきます。そうすると、その後に1割下がったとしても、下がった値段で買い戻せば、そこで2000億円の利益が出ます。

これで、2兆円の1割下がった分をカバーできます。これを「ヘッジ」といいます。取引が終われば3000億円の証拠金は返ってきます。

思惑が違って上がってしまったらどうでしょう。むしろ、そのときは2兆円が1割上がれば、本来の株式のほうで2000億円の儲けがあるわけです。

株価指数先物の損失とトントンです。証拠金として3000億円を無利子で寝かせておくのは確かに痛いけれども、これはコストと考えれば高くありません。このように、万が一のリスクに備えて手だてを講じておくことを「リスク・ヘッジ」といいます。

先物取引は博打やマネー・ゲームであるかのような言われ方をされる場合があります。しかしそうした面だけを強調するのは間違っています。リスクを回避する有効な手段というのが本質です。それを、どう使うかは使い手の使い方の問題です。

[最終更新日] 2017/04/03







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