成長プロセスは単調な登り坂ではない。 水(H2O)が摂氏0度付近になると、一気に氷(固体)から水(液体)になります。それが摂氏100度付近になると、さらに一気に水(液体)から水蒸気(気体)に。これは、化学の用語で相転移(そう てんい)と呼ばれています。

このことに例えることは果たして適切なのかどうか分かりませんが、人間の成長プロセスも、どうやらそのようなものではないかと考えています。氷から水に、水から水蒸気へと根本的に物体の質が変化するように、人間の成長プロセスも、ある段階、ある段階で、非常に短時間で思考の質や行動の質がガラリと切り替わる瞬間が訪れます。それは決して単調に、右肩上がりで成長していくのではありません。

スポーツや何かの学問に打ち込まれたあなたなら、何度も経験していらっしゃるかもしれませんが、何かを身につけるときは、だんだんできるようになっていくのではなく、やってもやっても一向に身につかない、上達しない、学習であれば覚えても覚えても体系がつかめないといった経験を経て、それがあると段階に到達すると、長期間の努力の結果として一気に「相転位」が起きる。

図示するとこのような感じです。

このように、一気に上がったときに、人は成長を実感することができます。そしてまた結果の出ない地道なプロセスに入る。すると、やがてまた大きく成長を感じる場面がやってくる。スポーツにおいても学問においても、このような成長線を描きます。しばらくはなかなか思うような結果が出ないけれども、出るときは一気に結果が出る。その過程こそが成長のプロセスであるのです。ところが多くの人は、この上りカーブを上り切るところまで辛抱することができない。

株式の格言に、「辛抱は金の棒」というものがあります。成長のプロセスもしかり。辛抱。継続。地道。うまず、たゆまず。そういう言葉で表されるものこそが非常に重要なことであるのだと、これでお分かりいただけるのではないでしょうか。